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認知行動グループ療法通信No19 考え方を見直していく方法2

 こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。9月に入ったのに、まだまだ暑い日が続きますね。「9月なのに・・・」と思うと、余計に暑さを感じてイライラするようなことはないでしょうか?私は、よく感じていますが、これも「9月なのに・・・」という認知のせいなのかもしれません。

 さて、前回は、積極的に自分自身の考え方を見直していく方法として、思考記録表(コラム法)をご紹介して、その3つの項目までご説明しました。今日は、残りの4つの項目についてご説明していきたいと思います。

 最初の3つの項目(状況・気分・自動思考)によって、どのような考え方(自動思考)が、どのような気分と結びついていたかが明確になります。つまり、嫌な気分を作り出している自動思考を発見したことになります。気分を改善していくには、嫌な気分と結びついている自動思考を見直していけばよいのです。

 自動思考を見直していく方法にはいくつかありますが、7項目の思考記録表では、

(4)根拠:この自動思考が正しいとする理由、そう考えた理由
(5)反証:この自動思考が間違っているとする理由、そう考えなくてもよい理由

を考えていきます。これまでもお話ししてきたように、抑うつ的なときの自動思考(認知)は、偏っていることが多いものです。根拠と反証を考えていくことで、様々な視点から自動思考を検証することが可能となります。

 例えば、前回の例を挙げると、根拠と反証は次のようなものが考えられます。

(1)状況:○月○日、○時頃、職場でレポートを提出したところ、上司に不備を指摘され直すように言われた。
(2)気分:ゆううつ(80%)
(3)自動思考:また怒られた。この仕事をこなせる能力はない。直せない。
(4)根拠:以前にも同じ上司から怒られたことがある(「また怒られた」への根拠)。
1ヶ月かけて一生懸命作り上げたレポートだった(「直せない」への根拠)。
(5)反証:関わったプロジェクトが成功し上司から褒められたこともある(「また怒られた」への反証)。
直すよう指摘されたのは数箇所で、具体的な指示が出ている(「直せない」への反証)。
同じような指摘を受けでも、直せたことがある(「直せない」への反証)。

 根拠と反証を考える際のコツとしては、「これまで同じような状況があったか?」、「同じような状況でどうなっていたか(どうしたか)?」と自問する方法があります。また、反証をあげる際には、「仮に同じような状況で困っている友人がいたら、どのように慰めるだろうか?」と考えてみるのも効果的です。反証をたくさん挙げることができれば、つまり、嫌な気分を作り出した自動思考が100%正しいわけではないと気づくことができれば、気分もずいぶん楽になるはずです。

さて、残りは、

(6)適応的思考:根拠と反証に基づいた妥当だと思われる考え方、バランスの取れた考え方
(7)気分の変化:適応的思考まで書き上げたとき、最初の気分はどうなったか?

をまとめるだけです。反証まで書くことで気分は楽になるかもしれませんが、それに加えて「根拠と反証を踏まえると、どのように考えるのが妥当的であるか(適応的思考)」を記録として残しておきます。書くことでより整理できますし、後々同じような状況が繰り返されたときにも見直すことができます。
 
 適応的思考をまとめる際、「根拠と反証を踏まえて」と言っても、なかなか難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、「根拠 けれど 反証」のように、「けれど」のような接続詞で根拠と反証をつなぐと良いでしょう。例えば、これまでの例では、「1ヶ月かけて一生懸命作り上げたレポートだった けれど 同じような指摘を受けでも、直せたことがある」のようになります。「直せない」という自動思考と比べてみてください。根拠と反証を「けれど」でつなぐだけでも、柔らかい表現になったことが分かるのではないでしょうか。

 これまでの例に関して、7項目でまとめると次のようになります。

(1)状況:○月○日、○時頃、職場でレポートを提出したところ、上司に不備を指摘され直すように言われた。
(2)気分:ゆううつ(80%)
(3)自動思考:また怒られた。この仕事をこなせる能力はない。直せない。
(4)根拠:以前にも同じ上司から怒られたことがある(「また怒られた」への根拠)。
1ヶ月かけて一生懸命作り上げたレポートだった(「直せない」への根拠)。
(5)反証:関わったプロジェクトが成功し上司から褒められたこともある(「また怒られた」への反証)。
直すよう指摘されたのは数箇所で、具体的な指示が出ている(「直せない」への反証)。
同じような指摘を受けでも、直せたことがある(「直せない」への反証)。
(6)適応的思考:一生懸命作ったレポートで直すのも大変ではあるけれど、具体的な指示が出ており、以前にも直せたことがある。上司はよく怒る人であるが、うまくこなせた仕事については、しっかり評価してくれる。
(7)気分の変化:ゆううつ(30%)

 2回にわたって、思考記録表についてご紹介してきました。これを参考にして、嫌な気分を改善していくことができるとすれば何よりです。しかし、一人の力でやろうとしてもなかなか難しいのも事実です。認知行動グループ療法では、参加者様が自分自身の力で嫌な気分を改善していけるように、思考記録表や以前ご紹介したアクションプランの使い方を身に着けていただくお手伝いをしております。

2006/09/05
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