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認知行動グループ療法通信No20 考え方を見直していく方法3

 こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

 前回、前々回と、「考え方を見直す方法」ということで、当クリニックの認知行動グループ療法でも使用している「7項目の思考記録表(コラム法)」をご紹介してきました。思考記録表では、嫌な気分を引き起こしている自動思考(認知)について、「根拠」と「反証」を考えていくことで、より妥当な(嫌な気分を和らげるような)考え方を導き出していきます。

 しかし、実際に記録を付けていただくと、「根拠」と「反証」がなかなか考え付かないようです。前回はそれらを見つけるコツということで、「これまで同じような状況でどうなっていたか?」、「友人が同じような状況だったらなんと言うか?」などと自問する方法があることをお伝えしましたが、それでもやはり難しいことがあるようです。

 そこで、本日は、考え方(自動思考)を見直していく他の方法を、下の例に沿って、ご紹介しようと思います。

例:Aさんは、「主婦であれば家事をしなくてはいけない。家事ができなかった自分はダメな人間だ」と考えて、ゆううつな気分を感じている。

(1)言葉の置き換え
Aさんは、「主婦であれば家事をしなくてはいけない」と考えています。以前(通信No12参照)ご紹介しましたが、これは「〜すべきだ」という「べき思考」といわれるものです。このような考え方には、「言葉の置き換え」という方法が効果的です。「〜すべきである」という表現の代わりに、「〜の方がより望ましい」という表現にしてみてください。Aさんの例では、「主婦であれば、家事をするとより望ましい」という言い方になります。最初のAさんの考え方に比べて、やわらかい表現になったと感じられるのではないでしょうか。

(2)灰色の部分を考える
「何かに失敗した」と感じているときや、「何もできなかった」と感じているときには、「本当に全てが失敗なのか?」、「本当に何もできていないのか?」と自問してみてください。「全てが」とか「何も」という表現は、白黒思考(通信No12参照)と呼ばれる考え方である可能性が高く、このような考え方には、上のような自問(灰色の部分を考える)が役に立ちます。Aさんの場合、「家事ができなかった」と考えに対して、「本当にすべての家事ができなかったのか?」と自問してみることになります。家事と一言でいっても、洗濯・掃除・炊飯などいろいろありますし、洗濯、炊飯、掃除と言う行為についても、それぞれいくつもの過程に分けることができるはずです。たとえ些細なことでも、何かしらできていることは見つかることが多いでしょう。Aさんの場合、「掃除機をかけること」と「洗濯物を洗って干すこと」までできることがわかりました。「家事ができない」という表現より、「掃除機をかけることと洗濯物を洗って干すことはできた」という表現の方が、より正確ですし、嫌な気分を引き起こすことは少なくなるでしょう。

次回も引き続き、考え方を見直していく方法をご紹介しようと思います。

参考文献:デビッド D.バーンズ(著) 野村総一郎(監訳) 関沢洋一(訳) 「フィーリングGoodハンドブック」 星和書店

2006/09/12
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