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認知行動グループ療法通信No27 認知行動療法は科学的?

 こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

 近年、科学的根拠にもとづく医療(Evidence Based Medicine:EBM)という考え方が広くいわれるようになりました。認知行動療法は、うつ病や不安障害などに対して効果的な治療方法であることが、統計的、科学的に実証されてきており、EBMという考え方に沿った治療法として発展してきたといえます。

これまで、認知行動療法の効果を測定するとき、多くの場合、質問紙(尺度)を使って測定されるうつ状態の程度や不安の程度が指標とされてきました。しかし、近年、脳機能画像解析技術の発展に伴って、認知行動療法が脳機能にどのような影響を及ぼすのかという研究が行われ始めています。

 うつ病や不安障害になると、前頭葉や海馬、扁桃体と呼ばれる脳の部位に、障害や活動性の低下が認められるといわれています(うつ病と不安障害では、障害される脳部位は、若干異なってきます)。認知行動療法は、これら前頭葉や海馬、扁桃体の機能を改善する可能性があることが分かり始めています。

上に挙げた脳部位の機能として、前頭葉は注意力や意思決定力、感情のコントロールと、海馬は記憶能力(特に覚える能力)と、偏桃体は感情の生起(特に恐れなど)と深く関わっていると考えられています。つまり、認知行動療法は、うつ病や不安障害に伴って低下している、注意力や意思決定能力、記憶能力、感情のコントロール能力を改善することができると可能性があると考えられるのです。

 脳機能画像解析技術を使った認知行動療法の効果研究は、まだ始まったばかりです。今後、研究が進むにつれて、より多くの詳細な効果が明らかになってくると思います。これまで蓄積された質問紙を使った効果研究もあわせ、認知行動療法は科学的な根拠に基づいた治療法であるといえるのではないでしょうか。

参考文献:海保博之(監) 利島保(編) 「朝倉心理学講座4 脳神経心理学」 朝倉書店

2006/11/09
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