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認知行動グループ療法通信No30 知らず知らず不愉快に

 こんにちは。認知行動グループ療法アシスタントのYです。

 突然ですが、みなさんは、「今日はやけに家族が口うるさいな」とか、「今日はやけに上司の機嫌が悪いなぁ(理不尽だなぁ)」などと不快な気持ちになったことをないでしょうか?たいていの場合、「相手の機嫌がどうしようもなく悪い」ことが原因であると思いますが、知らず知らずのうちに自分自身が原因の一つになっていることも少なくはないかもしれません。

 人間の多くの行動は、事前の出来事によって、大きく影響を受けています。例えば、「家族が口うるさいな」と感じるその前に、なにか「不快感(例えば、怒り)」を覚えるような出来事はなかったでしょうか。仕事の帰りに電車が遅れていたとか、買い物に寄ったコンビニの店員の態度が悪かったとか。たいていの出来事はなんらかの感情(気分)や記憶(思い出)を活性化させますが、この活性化された感情や記憶は、その後の行動に影響を及ぼすといわれています。

つまり、上の例は・・・
電車が遅れたことで生じたイライラ 
    ↓
帰宅後に攻撃的な行動として現われる
    ↓
家族をイライラさせる 
    ↓
家族も攻撃的な行動となる
    ↓
「口うるさいな」

のような連鎖の結果としてとらえることができるかもしれません。しかし、多くの場合、このような連鎖を自覚することは非常に難しいため、「家族が口うるさい。不愉快」という結果だけ注目されてしまうのです。

さて、「ある出来事で生じた感情や記憶が、知らないうちに行動となり、まったく無関係の場面で自分自身を不快にしてしまうことがある」というお話しをしてきましたが、このような連鎖を断ち切る方法としても、認知行動療法は有効になるでしょう。例えば、上の例で、「電車が遅れたことに対するイライラ感」は、ブログでもご紹介した「思考記録表」を使うことで、低減することができます。イライラ感が低減すれば、その後、攻撃的な行動は現れないか、弱くなるでしょう。家族の態度も「口うるさい」と思うほどのものではなくなる可能性が高くなります。

 我々の行動は、知らず知らずのうちに様々な出来事の影響を受けています。本来ならまったくの無関係なはずの出来事によって、新たに不快な状況を作り出してしまわないためにも、認知行動療法は役に立つでしょう。

参考文献:岡隆(編) 「社会的認知研究のパースペクティブ」 培風館

2006/12/06
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