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苦しい子育てを強いるのではなく周囲の理解が必要です

女性にとって妊娠は大変おめでたいことですが、出産直後にマタニティブルーになる人も多いようです。周囲も理解がないと、心の病が悪化してしまう場合もあります。

 マタニティーブルーは出産直後に起こる抑うつ状態のことを言います。出産直後から6日位まで気分が暗くなったり、イライラしたり、不安が強くなったりします。そっとしておいてあげると自然に回復するのが大半なので、そんなに心配することはありません。個室でゆっくり静養すれば大丈夫です。

 ただ病的なマタニティーブルーは大きな問題です。一番大きなものは産褥期の抑うつ状態と呼ばれるものです。出産から6ヶ月間、抑うつ状態がひどくなったり不安が強くなったりして育児や家事ができなくなってしまう人がいます。出産直後はホルモンバランスが不安定で、女性ホルモンが正常に分泌されない状態になります。生理は1〜2ヶ月から2〜3ヶ月で回復する人が多いのですが、排卵は出産から5〜6ヵ月後と考えられています。その間のホルモンアンバランスがストレス源となり、いろいろな心の障害を引き起こすことが多いようです。母子保健の分野では大きなテーマになっています。

 今は核家族で、昔のように赤ちゃんの面倒を見る舅・姑などや経験者がいませんから、周囲に理解者がいないと、乳児虐待などにつながってしまう恐れもあります。さらに赤ちゃんは睡眠周期が確立していませんから夜泣きで母親は睡眠不足に陥り、苦しい状態になります。元々軽いパニック障害などの心の病気を持っている母親は、その状況から、うつ病などの重い病気にかかってしまうこともあります。

 妊娠初期に不安が大きくなり気分が落ち込む人がいます。そしてそれがストレスとなり流産する人もいます。

 マタニティーブルーにならないためには、まずは実家の親の助けを得られるかがポイントです。実家が近い場合は母親に家に来てもらい、遠距離なら自分が里帰りして親と一緒に子育てするのがいいでしょう。5〜6ヶ月で赤ちゃんの睡眠周期は固定しますし、5〜6ヶ月でお母さんの体のホルモンバランスも安定し、排卵が行われる状態になりますから、里帰りは半年くらいが目安です。「自分で子育て位しなさい」という厳しい意見を言う母親がいますが、それでは幼児虐待など万一の事態が心配です。苦しい子育てを強いるのではなく、周囲も理解し、率先して協力してあげてください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

2008/03/21
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