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医師の指示のもと、行われる心の病の治療法としては、さまざまなものがあります。4月の家族教室の内容から引けば、たとえば、グループセラピー、認知行動療法、行動療法、リラクセーション、プレイセラピー、表現療法、森田療法、内観法、精神分析、アニマルセラピー、精神科デイケアがその代表的なものとして挙げられます。しかし、数ある治療法の中で、その中心となるのは、薬物療法です。上で挙げたような治療法は、殆ど全て、薬物療法を行った上で、それと並行して、薬物療法の補助的な手段として用いられるものといって良いでしょう。
となると、ご家族の方にまず必要となるのは、まずは、薬物療法についてのご理解・ご協力ということが言えるかも知れません。ここで、セミナーでは詳しくは述べられなかった、心の病気になぜ、薬による治療が必要か、といったことについて、また、服用の注意点について、説明を加えたいと思います。
かつて、「心」の病気は、病気として扱われず、どこか得体の知れないもの、として扱われてきました。物理的な現象とは無縁の存在、と考えられてきたのです。もしかしたら、まだ、皆さんの中にも、そうした、「心」に対する漠然とした思いをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ですので、心の病気の治療に薬物を使用する、というと、違和感をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、科学技術の進んだ現代では、私たちの「心」も、決して物理的な現象と無縁の存在ではないということがわかってきました。たとえば、うつ病の患者さんの色々な症状は、脳内のセロトニンとノルアドレナリンという物質の働きが低下していることが一因となって起こっている、ということがわかってきました。そのため、治療の際、この一方、あるいは両方の働きを回復させる働きをもった薬を服用することにより、より短期に、また確実にうつの症状を軽減させることができるようになったのです。他の病気の様々な症状に関しても、同様のことが言えます。物理的な現象であるものに対し、「薬」という物理的な存在で臨むのは、ある意味、当然であり、必要であると言えますよね。
このように、薬物治療の目的は、姿ある、脳内の物質に直接的に働きかけることによって、症状のコントロールと軽減を目指すことにあります。しかし、薬を服用したからといって、一夜にして症状が回復する、といったことはないようです。薬を服用される際に常に頭においておかなくてはならないのは、「症状の回復には時間がかかる」という点と言えそうです。変化が実感されるまでは、大抵の場合、数週間から数ヶ月の時間が必要、との見方が一般的なようです。時間の余裕をもって臨むことが大切なのですね。
また、「症状がよくなっても、服用を続ける」ことも重要です。心の病気は、再発・慢性化することもある病気のようです。症状が軽くなっても、医師の指示があるまでは、自分の判断で勝手に服用を中断しないことが、確実に病気を治すためには、重要な点です。せっかくの回復への道、無用な後戻りはしたくないものです。そして、薬の量に一喜一憂しない、ということも、頭の隅においておくと良いかもしれません。心の病気の治療に使う薬は、基本的には少量から始めて徐々に量を調整していくのが普通です。ですので、途中で薬の量が増えたからといって、即、病状が悪化したと考える必要はないのです。更に、薬を服用する際の注意点として、副作用があります。これは、もしかすると、いちばん気になる点かもしれませんね。全ての薬には、残念ながら、必ずと言っていいほど、副作用が存在するようです。心の病気に用いられる薬の副作用としてよく見られるものには、めまいや吐き気、口の渇き、眠気、手などのふるえ、便秘などがあります。もちろん、全ての方に現れるわけではありません。また、そうした副作用を抑えるのに有効な薬がある場合もあります。気になる症状が現れたら、早めに主治医に相談することが大切です。
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