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さて、では、「こころ」の病気の治療はどのように行われるのでしょうか?
「からだ」の病気と同じように、「こころ」の病気も病院で医師が治療にあたります。そして、その治療の中心は、薬物療法になります。
「こころ」の病気も病気ということにおいては、「からだ」の病気と同じです。しかし、「からだ」の病気と違っているのは、“病気だ”と判断するのに、困難を伴うことが多い、という点です。例えば、高熱が出たり、血が出たりすれば、私たちはすぐに病院へ行くでしょう。こうした「からだ」の病気の兆候は、目に見える形で、比較的はっきりと現れます。
しかし、先述のように、「こころ」の病気の兆候は、というと、そうはいきません。「こころ」が病気になると、“気分がふさぐ”とか、“普段できていた仕事をこなせなくなる”とか、“感情の起伏が激しくなる”、“人間関係がなんだかうまくいかなくなる”といったような状態が生じてきます。周囲の人は、「なんとなく普段と違うなぁ」とか、「表情が険しいなぁ」といったように、違和感をもつことでしょう。しかし、こうした状態は、はっきりと病気の症状とは気づきにくいものです。“病気”と気付かれにくい「こころ」の病気は現在でも、適切な治療に結びつくまでに、時間がかかってしまう場合があるようです。身体の不調が起こるために、内科や外科を受診している方も多くいらっしゃるようです。また、「こころ」の不調に気付きながらも、“気合”や“根性”で乗り切ろうとして、病気をこじらせてしまう方もたくさんいらっしゃいます。そして、人間関係に影響が出て、社会の中で孤立してしまっている方も少なくありません。
そして、一番身近な存在である、ご家族との関係も悪化させてしまう場合があります。
ご家族が、「この子はいい年をして、家でごろごろしているばかり。怠けているだけだ」といったような思いをお持ちになっている場合もあるのです。「こころ」の病気の症状が、一見、病気とは判断がつきにくいものであるがゆえに起こってくる、誤解と言えそうです。
「こころ」の病気の治療の中心は、薬物療法ですが、それだけではなかなか、ご本人は快復には向かえません。周囲の人間が、病気について正しい知識と理解をもって、ご本人との接し方を工夫していくことが大切です。ただし、ご家族が全てを抱え込む必要はありません。ご自分の生活を大切にしながら、治療スタッフと一緒に、ご本人のより良い経過と予後を得るための方法を探って行けるとよいのではないでしょうか。 |