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離脱状態

F01x.3 離脱状態 Withdrawal state

 

疾患の具体例

28歳女性。今から3年ほど前に職場の人とのトラブルが起き、鬱状態に陥りました。クリニックを受診し、抗不安薬と睡眠薬を使用しながら治療をしてきました。薬によって、抑うつ的な気分はコントロールできていたように感じています。しかし、ある時、テレビで「薬を飲み続けていると依存症になる」と見て、自己判断で薬を一切やめてみました。すると、強い不安感や焦燥感が起こり、夜も眠れなくなりました。主治医に相談すると、「離脱症状」であると説明され、断薬や減薬は慎重に行うことが大事だと聞かされました。

 

症 状

いわゆる禁断症状のことで、医療用の薬やアルコール、違法薬物など精神作用のある物質を中断、または減量したときに不安や抑うつ、睡眠障害などが生じます。人によって症状はさまざまで、けいれんを伴うこともあります。

 

原 因

精神作用のある物質を繰り返し、あるいは長期間にわたって大量に使っていた人が、その物質をやめようとするときに生じます。単独の症状というよりは、「依存症候群」にまつわる症状の1つにあたります。なお、使用していた物質の種類や量によって、症状の度合いは変わります。同じ種類の薬物でも、短時間作用のものは長時間作用のものよりも離脱症状が表れやすい傾向があります。しかし、より長期作用のものは、離脱症状が長く続く傾向があります。つまり、効果の持続が長いものほど、中断・減量してから離脱症状が表れるまでの期間が長くなり、症状が長く続くのです。

 

治 療

一般に、薬などの精神作用物質を自己判断で中断、減量することは危険が伴うと言われています。医師の指示にしたがって、適切なペースで中断、減量することが大切です。

 

診断基準:ICD-10

離脱症状は依存症候群の1つの指標であり、依存症候群の診断も同時に考慮すべきである。離脱状態は、それが受診の理由でありかつそれ自体が医療を要するほど重症であるならば、主診断としてコードすべきである。使用された物質により身体症状はさまざまである。心理的障害(たとえば、不安、抑うつ、睡眠障害)も離脱に共通した症状である。典型的には、患者は物質を続けて用いることによって離脱症状が軽減すると述べることが多い。直前には物質を使用していなくても、条件づけられた/学習された刺激によって離脱症状が引き起こされうることを忘れてはならない。このような場合、離脱状態という診断は重症であることが確認された場合にのみくだすべきである。

 

診断基準:DSM-5

それぞれの物質に特異的な問題行動上の変化の出現であり、生理学的、認知的な不随現象を有している。

基準A

大量の長期にわたる物質使用の中断あるいは減量に起因している。

基準C

それぞれの物質に特異的な症候群は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こす。

基準D

症状は、他の医学的疾患によるものではなく、他の精神疾患によってうまく説明されるものでもない。

 

基準Bは記載なし。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『IDC-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

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