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大麻中毒

大麻中毒

Cannabis Intoxication

 

疾患の具体例

22歳、男性。中学生の頃から素行に問題があり、成人しても定職に就くことはありませんでした。ある日、友人の家で飲酒をし、大麻も吸引しました。30分ほどたつと、ものがゆがんで見え、家の中のものがキラキラと光って見えました。興奮状態になり、「すべてが変わった!」と叫んで外に飛び出し、車にひかれそうになりました。

 

特 徴

大麻中毒の基本的特徴は、大麻の使用中や使用後すぐに引き起こされる病的な行動、あるいは心理的変化です。典型的には気分が高揚し、ハイテンションな状態で症状が始まります。「色がより明るく鮮明に見える」という人もいます。その後、面白くもないのに笑ったり、状況にそぐわない幸福感や満足感(多幸症)が現れたり、鎮静、嗜眠(意識が混濁し、長時間眠り続ける)、短期記憶の障害、複雑な思考や判断ができない、運動能力の低下、時間がゆっくり過ぎる感覚などが生じます。時々、不安や不快気分、社会的引きこもりになる人もいます。多量の大麻を使用した場合は、離人感(自分の心や体から離れて、自分を傍観しているような感覚)や現実感喪失が生じることもあります。

これらの症状は、結膜の充血、食欲の亢進、口の乾燥、頻脈のうち、2つ以上を伴うことも特徴的です。

 

大麻中毒は、大麻の煙を吸ってから数分以内に生じます。直接、大麻を食べた場合は、数時間かかることがあります。症状は通常3〜4時間続き、口から食べた場合は少し長くなります。また、症状の強さは、大麻を摂取した量や摂取方法のほか、吸収速度、大麻に対する耐性や感受性によっても左右されます。

 

大麻中毒のある人は、職場や学校でも無分別な行動をし、仕事を失ったり、退学になったりすることがあります。また、大麻を使用後8〜12時間は、クルマの運転や重機の操作が正常にできず、事故を起こす危険性が高まります。

 

有病率

一般人口における有病率はわかっていません。しかし、おそらく大麻使用者のほとんどが、大麻中毒の基準を満たしていると考えられています。そうだとすると、大麻使用者の有病率と、大麻中毒の有病率は同程度になります。

 

診断基準:DSM-5

A. 大麻の最近の使用

B. 臨床的に意味のある不適応性の行動または心理学的変化(例:協調運動障害、多幸症、不安、時間延長の感覚、判断低下、社会的引きこもり)が、大麻の使用中か使用後すぐに発現する。

C. 以下の徴候または症状のうち2つ(またはそれ以上)が、大麻使用後2時間以内に発現する。

  1. 結膜充血
  2. 食欲亢進
  3. 口腔乾燥
  4. 頻脈

 

D. その徴候または症状は、他の医学的疾患によるものではなく、他の精神疾患(他の物質中毒を含む)ではうまく説明されない。

 

該当すれば特定せよ

知覚障害を伴う:現実見当が保たれた状態での幻覚、または聴覚、視覚、触覚性の錯覚がせん妄の存在なしに生じる。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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