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他の(または不明の)物質の離脱

他の(または不明の)物質の離脱

Other(or Unknown) Substance Withdrawal

 

疾患の具体例

26歳、男性。興味本位で脱法ハーブを使用したところ、それまで体験したことのない感覚を得ました。体の力が抜け、自分でコントロールできなくなり、幻覚や幻聴もあります。同じ脱法ハーブを使用する仲間が交通事故を起こしたことを機に、使用をやめようと思いました。しかし、脱法ハーブを減量すると不安や焦燥感に駆られます。頭痛や腹痛も生じ、仕事も生活も成り立ちません。

 

特 徴

「他の(または不明の)物質の離脱」は、以下の物質とは関連しない物質を中止(または減量)した時に生じる離脱症状です。

アルコール、カフェイン、大麻、幻覚薬(フェンシクリジンなど)、吸入剤、オピオイド、鎮静薬、睡眠薬、抗不安薬、精神刺激薬(アンフェタミン、コカインなど)、タバコ。

 

この障害を発症しうる物質には、以下が挙げられます。

非ステロイド性抗炎症薬、抗ヒスタミン薬などの医薬品、亜酸化窒素、アミル、ブチル、またはイソブチルニトライト、ビンロウの実、カワ(コショウ科の植物)、カチノン(精神刺激作用をもたらす植物)、その他、闇取り引きされている未知の薬物など。

 

どの物質による離脱も、身体的な徴候や症状が現れます。例えば、倦怠感、体温や血圧などバイタルサインの変化、腹部の不快感、頭痛などです。物質に対する強烈や渇望、不安、抑うつ、焦燥、精精神病症状、認知機能障害など精神面にも症状が生じます。

その結果、仕事ができなくなったり人間関係で問題が生じたり、交通事故、自殺企図など重大な結果を招く可能性があります。

また、離脱症状の辛さから逃れるために、物質を際しようする人もいます。

 

有病率

この障害の有病率はよくわかっていません。

 

経 過

一般的には、物質の中止(または減量)から数時間後に離脱症状が現れますが、その人の摂取量や、物質の種類などによって大きく変わります。症状の経過も、物質によって異なります。ある物質は、ピーク時の離脱症状が中等度の不快感であるのに対し、別の物質は命を脅かすほど危険な状態になり得ます。

離脱症状は、物質の種類や使用量に応じて、数日〜数週間、あるいは数か月かけてゆっくり弱まっていきます。

 

治 療

物質乱用についての教育と、患者さんの努力に対する支援が治療の基本です。離脱症状が重い人、外来治療で失敗した人、社会的支援が乏しい人などは入院治療をすることがあります。症状としては外来治療が可能でも、物質が入手できないように入院するケースもあるかもしれません。

 

診断基準:DSM-5

A. 大量かつ長期間にわたっていた物質の使用を中止(または減量)している。

B. 物質の使用を中止(または減量)した直後の、物質特異的な症候群の発現。

C. 物質特異的な症候群は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

D. その症状は、他の医学的疾患によるものではなく、他の物質による離脱を含む他の精神疾患ではうまく説明されない。

E. 対象となる物質は、他の物質のカテゴリー(アルコール;カフェイン;大麻;オピオイド;鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬;精神刺激薬;またはタバコ)に分類することができない、または不明である。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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