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他の医学的疾患による不安症/不安障害

他の医学的疾患による不安症/他の医学的疾患による不安障害

Anxiety Disorder Due to Another Medical Condition

 

疾患の具体例

19歳、男性。子どもの頃からぜんそくを持っています。ぜんそくの適切な治療は受けているものの、半年前から発作が起きた時の呼吸困難や、周囲の驚いた目が怖く、非常に強い不安を感じています。外出することも気が引け、日常生活全般に支障を来しています。

 

特 徴

何らかの医学的疾患によって、著しい不安やパニック発作などが引き起こされる障害です。不安やパニック発作の程度は強く、日常生活に著しい影響を及ぼします。

 

不安やパニック発作を起こしうる身体疾患として、例えば以下のようなものがあります。

  • 内分泌疾患(甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、低血糖症、副腎皮質機能亢進症など)
  • 心血管系疾患(うっ血性心不全、肺塞栓症、心房細動などの不整脈)
  • 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、ぜんそく、肺炎など)
  • 代謝性疾患(ビタミンB12欠乏症、ポルフィリン症など)
  • 神経疾患(新生物、前庭機能不全、脳炎、てんかんなど)

 

上記にあるような疾患を持ち、なおかつ他の精神疾患(適応障害や原発性不安症など)ではないことが、「他の医学的疾患による不安症」の診断要件になっています。

本当に「他の医学的疾患による不安症」なのか、他の不安症なのかを判断するために、医師はまず身体疾患があるかどうか確認します。また、身体疾患と不安症状の発症、悪化、寛解が時間的に関係しているかもよく検討しなければなりません。身体疾患が発症したあとから不安やパニック発作が生じた場合は、「他の医学的疾患による不安症」であることを示唆しているかもしれません。

 

また、物質や医薬品の影響で不安症状が現れる「物質・医薬品誘発性不安症」と区別するため、薬物や医薬品の使用歴も十分に確認する必要があります。

 

有病率

この障害の有病率はわかっていませんが、ぜんそくや高血圧、潰瘍、関節炎などを含め、さまざまな医学的疾患を持つ人における不安症群の有病率は高いと考えられています。

 

経 過

一般的に、この障害の経過は元にある疾患の経過にともなって変化します。

 

診断基準:DSM-5

A..パニック発作または不安が臨床像として優勢である。

 

B.その障害が、他の医学的疾患の直接的な病態生理学的結果であるという証拠が既往歴、身体診察所見、または臨床検査所見から得られている。

 

C.その障害は、他の精神疾患ではうまく説明されない。

 

D.その障害は、せん妄の経過中にのみ起こるものではない。

 

E.その障害は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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