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作為症/虚偽性障害

作為症/虚偽性障害

Factitious Disorde

 

疾患の具体例

23歳、女性。激しい腹痛を訴え、救急搬送されました。病院スタッフに対し「自分は消化器疾患を抱えており、それが再燃した。これまでもたびたび再燃しており、おかげで就職できず、友人も減ってしまった」と切実そうに訴えてきます。しかし、入院して精密検査をしましたが、消化管に異常は見つかりませんでした。医師がそう説明すると「そうですか、分かりました」と言って、その日のうちに退院しました。

 

特 徴

作為症(虚偽性障害)は、自分や他者が病気である、身体的(または精神的)な症状があることをねつ造する障害です。物事を都合よく運ぶための詐病(いわゆる仮病)とは違い、作為症は特にメリットがないにもかかわらず、病気やけがをねつ造します。ねつ造の方法としては、誇張、作り話、擬態、および誘発があります。

ちょっとした痛みを、あたかも激痛かのように話したり、ベッドから起き上がることができないふりをしたりして、自分または他者が病気やけがを負っていると周囲にアピールするのです。こうした行動が過剰な医療に発展する可能性もあります。

患者さんによっては、配偶者が生きているのに、「配偶者が亡くなったためにうつになった。自殺したい」などと訴えることがあります。あるいは、医療機関で行う検査で異常値が出るように不正な行為をする(例:尿に血液を加える、薬物を摂取する)、病歴記録をねつ造する、自傷行為を行うなどのケースも報告されています。わざと病気を誘発する行為(例:傷口に糞便を入れる)をする場合もあります。

 

なお、自分以外に子どもや親、ペットなど他者に病気があることをねつ造することもあります。その場合は、病気があるとされた被害者側ではなく、加害者側が「他者に負わせる作為症」と診断されます。

 

似た障害に身体症状症がありますが、こちらは自分が気になっている身体的な症状について、過剰な注意を向けて欲しい、治療をしてほしいと求める障害です。誇張や作り話で虚偽の訴えをしているとは限りません。

 

有病率

作為症の有病率はわかっていませんが、入院患者のうち約1%にはこの障害の診断基準を満たすと推測されています。

 

経 過

通常、成人期早期に発症します。本当の病気で入院した直後に現れることが多いとされています。他者に負わせる作為症の場合は、自分や子ども、またはその他の扶養家族の入院後に生じることがあります。また、作為症は断続的に発生します。医療従事者に対し、次々にごまかしの接触(事実ではない病気や症状の訴え)をする人は、生涯にわたってその行動が続くかもしれません。

 

診断基準:DSM-5

A. 身体的または心理的な徴候または症状のねつ造、または外傷または疾病の意図的な誘発で、確認されたごまかしと関連している。

B. 自分自身が病気、障害、または外傷を負っていると周囲に示す。

または医学的関心を余儀なくさせている。

C. 明らかな外的報酬がない場合でも、ごまかしの行動が確かである。

D. その行動は、妄想性障害または他の精神病性障害のような他の精神疾患ではうまく説明できない。

 

特定せよ

単一エピソード

反復エピソード(2回以上の病気のねつ造、および/または外傷の意図的な誘発)

 

他者に負わせる作為症(従来の、代理人による虚偽性障害)

A. 他者においての、身体的または心理的な徴候または症状のねつ造、または外傷または疾病の意図的な誘発で、確認されたごまかしと関連している。

B. 他者(被害者)が、病気、障害、または外傷を負っていると周囲に示す。

C. 明らかな外的報酬がない場合でも、ごまかしの行動が確かである。

D. その行動は、妄想性障害または他の精神病性障害のような他の精神疾患ではうまく説明できない。

注:本診断はその被害者ではなく、加害者に与えられるものである。

 

特定せよ

単一エピソード

反復エピソード(2回以上の病気のねつ造、および/または外傷の意図的な誘発)

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

『DSM-5 ケースファイル』(医学書院)

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