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窃触障害

窃触障害

Frotteuristic Disorder

 

疾患の具体例

35歳、男性。10代後半の頃から痴漢行為を繰り返し、何度か逮捕されています。そのために失業し、家族からも見放されてしまいましたが、痴漢行為をしたい気持ちを抑えられません。

 

特徴

「窃触障害」はパラフィリア(性嗜好異常)の一つで、同意していない人に触ったり、身体をこすり付けたりすることで強烈な性的興奮を覚え、それを実行に移す(いわゆる痴漢行為)。あるいは、実行することを空想して日常生活に支障を来す障害です。その行為は混雑した場所(特に電車やバスの中)でしばしば行われます。この障害のある人は極端に受動的で、孤立している傾向があります。また、露出障害や窃視障害を併存することが多いことがわかっています。

 

有病率

窃触障害の一般人口における有病率は明らかになっていませんが、最大で30%の成人男性に起こる可能性があると推計されています。アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル『DSM-5』によると、パラフィリア障害群と性欲亢進のために医療機関を受診する男性患者のおよそ10〜14%が窃触障害の診断基準を満たすそうです。

 

経 過

この障害のある男性が痴漢行為への強烈な関心を自覚するのは、思春期後期から成人期の始まりであることが多いようです。診断に必要な最低年齢は定められていませんが、若年男性の場合、性的な動機付けのない素行症との鑑別が困難です。 なお、窃触障害の症状は年齢が進むことによって弱まる可能性があります。

 

原 因

気質要因:

性的ではない反社会性行動と、性的な執着や性欲亢進は、窃触障害のリスクになるかもしれませんが、因果関係ははっきりしていません。

 

治 療

パラフィリア全般に対する治療として、薬物療法、認知行動療法などがあります。薬物療法は、統合失調症やうつ病が合併している場合に対し、抗精神病薬や抗うつ薬を用います。認知行動療法は、社会技能訓練、性教育、認知の再構成(再犯することを合理化しないよう、考え方を改める)、被害者への共感などが行われます。

 

診断基準:DSM-5

A. 少なくとも6ヵ月間にわたり、同意していない人に触ったり、身体をこすり付けたりすることから得られる反復性の強烈な性的興奮が、空想、衝動、または行動に現れる。

B. 同意していない人に対してこれらの性的衝動を実行に移したことがある。またはその性的衝動や空想のために臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

 

該当すれば特定せよ

管理された環境下にある: この特定用語は、主にその人が同意していない人に触ったり、身体をこすりつけたりする機会が制限されている施設またはその他の環境下で生活している場合に適用される。

完全寛解: 管理されていない環境下で少なくとも5年間、同意していない人に対してこれらの衝動を実行に移しておらず、苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしていない 。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

『DSM-5 ケースファイル』(医学書院)

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