こころのはなし
こころの病気に関わるいろいろなお話を紹介します。
「こころの病」についての知識をはじめ、
バラエティに富んだ情報を提供するなど、
患者様はもちろんご家族など皆様との交流を目指すコーナーです。
就労移行支援(事業所)の利用手続き
「就労移行支援」とは、障害があり、一般就労を目指す人に向けた通所型福祉サービスです。 社会福祉法人やNPO、株式会社などが運営する「就労移行支援事業所」に通って、職業訓練や就職支援、就職後の定着支援などを受けます。福祉施設や在宅で過ごしていた人、過去に就労していたけれど障害のためかうまくいかなかった人などが、就労につながる(移行する)ことを目的としています。
サービスの対象となるのは、以下の要件を満たす人です。
- 障害があり、就労を希望している人
- 65歳未満
- 一般の事業所に雇用される、あるいは技術を身につけて開業することが可能と見込まれる人
利用者は、定期的に事業所に通います。決まった時間に決まった場所に出掛けることで、生活リズムが整い、基礎体力や気力が向上していきます。 就労移行事業所には「一般型」と「資格取得型」があり、一般型では自分に合った職業や、就労のための課題などを職員と一緒に考えます。最近は、発達障害に特化した事業所も増えつつあります。また、職業スキルやビジネスマナーなどに関する講習も行っており、ある程度それらが身につくと職場見学や求職活動、トライアル雇用などを行います。 一方の資格取得型は、本人の適性に合った資格を取るための事業所です。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師など、それぞれの資格に特化した訓練を受けられます。
事業所を通じて就職したあとも、6カ月間は「定着支援」を受けられます。就職先にしっかり慣れて定着できるか、仕事や人間関係で悩んでいないか、生活リズムは乱れていないかなどについて、事業所のスタッフが相談に乗ります。 就労移行支援の利用は原則2年間と定められていますが、市区町村に必要性が認められれば最大1年間の延長が可能です。就職後の定着支援は、2018年より最大3年の延長が可能になりました。
なお、就労移行支援の利用には、世帯収入に応じた利用料がかかります。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0 円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 0 円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満※注2) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます※注3 |
9,300 円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200 円 |
(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
自分の利用料がいくらになるかは、市区町村役場に問い合わせましょう。また、利用にあたっては交通費もかかりますが、市区町村によっては交通費の補助があります。
利用手続きの流れ
- 1)医療機関を受診する
就労移行支援を利用するには、障害のあることを医師が診断している必要があります。これまで診断を受けたことのない人は、病院の精神科や、精神科クリニックを受診しましょう。 -
2)就労移行支援事業所を選ぶ
就労移行支援事業所は非常に数が多く、支援内容も様々です。この中から、自宅から不便なく通えて、自分に合った訓練を受けられる事業所を選ばなくてはなりません。まずは、居住地の市区町村役場に相談して、近くにどんな事業所があるのかを教えてもらうといいでしょう。 あるいは、インターネットで事業所の情報を得ることもできます。が神奈川県内の事業所を調べる場合は、「障害福祉情報サービスかながわ」が便利です。 -
3)就労移行支援事業所を見学する
利用したい事業所が決まったら、見学や体験利用をしましょう。訓練の内容や事業所の雰囲気が自分に合っているかを確認するためです。事業所によっては、定期的に相談会や体験会などを開催しています。事業所の職員に、直接、疑問点について質問してみるといいでしょう。 -
4)市区町村に申請する
就労移行支援を利用するには、市区町村役場が発行する「受給者証」が必要です。担当窓口に行って申請しましょう。その際、障害があることを証明する書類(障害者手帳、医師の診断書や意見書など)を求められます。前もって用意しておきましょう。障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書などがあれば利用できることがあります。 また、「サービス等利用計画」といって、就労移行支援を利用する目的や、訓練の内容などを記載した書類も必要です。市区町村が指定する「指定特定相談支援事業所」で作成することもできますし、自分自身で作成(セルフプラン)することもできます。就労移行支援事業所の職員に計画書作りをサポートしてもらうこともできます。 -
5)就労移行支援事業所と利用契約を結ぶ
市区町村の審査が通ると、受給者証が郵送されてきます。その受給者証を持って事業所へ行き、正式な利用契約を結びます。事業所と相談して決めた利用開始日から、実際の訓練がスタートします。