こころのはなし

こころの病気に関わるいろいろなお話を紹介します。
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精神療法について

こころの病気の治療で行われる精神療法についてご紹介します。

Vol.1 精神療法の種類

精神療法と心理療法、カウンセリングの違いは?
こころの病気の治療は、必要に応じて投薬(薬物療法)をしながら、「精神療法」やリハビリテーション、環境調整などを組み合わせていきます。精神療法とは、精神科医や臨床心理士などの治療者との会話、あるいは言葉を用いないコミュニケーションを通じて、患者さんの心理的問題や行動上の問題を改善していく治療法です。

精神療法と似た概念に「心理療法」があります。両者に厳密な区別はなく、精神科医は精神療法と呼び、心理学の専門家は心理療法と呼んでいることが多いようです。また、もう一つ似た用語に「カウンセリング」もありますが、こちらは精神療法と少し区別されています。精神療法は、心理的問題を持つ人を対象にしているのに対し、カウンセリングはその問題があまりない人も対象にするという考え方があるのです。ただし、ほとんど同義のように用いられることも少なくありません。 ここでは、特に記載のない限り精神療法という言い方を用います。

代表的な精神療法
ひとくちに精神療法と言ってもさまざまな種類があります。実際の診療では、患者さんの状態や希望を考慮しながら精神科医が選択します。以下に、代表的なものを挙げます。

・支持的精神療法、小精神療法
支持的精神療法は、あらゆる精神療法の基礎となるような治療法で、短時間の外来診療においても日常的に行われています。治療者と患者さんが会話をしながら、患者さんの気持ちや考えを整理したり、本人も気づいていない感情を見つけたりして、精神的な回復へとつなげていきます。治療者は、患者さんを否定したり、断定したりせず、共感的な姿勢で接します。

小精神療法も短時間の外来診療でよく行われています。患者さんと治療者が会話をしながら問題を整理し、心理的な世界の再構成を目指します。治療者は患者さんの苦悩を「そのまま」受け入れますが、深層心理への介入はあまりしません。

・精神分析、精神分析的療法、精神力動的精神療法
精神分析は、19世紀にフロイトが創始した治療法です。「自由連想法」といって、患者さんは寝椅子に横たわって、頭に浮かんだことを全てそのまま言葉にします。やがて患者さんが無意識のうちに抑圧していた欲動が表面化し、治療者は患者さんが受け止めやすい言葉で「解釈」を与えます。このセッションの繰り返しによって、心理的な安定につなげていきます。

通常、精神分析は1回50分程度、週4回以上のセッションをします。しかし、患者さんの時間的、経済的負担が大きいため、現在ではより簡易化した「精神分析的精神療法」(精神力動的精神療法)を用いることが多くなっています。精神分析の理論を取り入れながら、1回30~60分、週1~2回、イスに座った状態でセッションを行います。

・行動療法、認知療法、認知行動療法、問題解決療法
行動療法は、「学習理論」に基づいて行動変容を促し、心理的な問題の改善を図る治療法の総称です。学習理論とは、何かを繰り返し経験することで、新しい行動を身につけることを指します。例えば、強迫性障害に用いる「曝露反応妨害法」という技法では、強迫観念や不安感を感じても強迫行為をせずに我慢し、そのまま不安が薄らいでいくことを経験します。その繰り返しによって、強迫行為をしなくても大丈夫と感じられるようになっていきます。

認知療法は、患者さんの「認知」(ものごとの捉え方)に働きかけることで、問題解決を図る治療法の総称です。認知に働きかけて行動変容を促し、問題解決へとつなげる認知行動療法も、ほぼ同じ治療法です。例えば、うつ病に対する認知行動療法では、患者さんの頭の中に自動的に沸き起こってくる考え(自動思考)に焦点をあてて、治療者と面談をします。面談をもとにワークシートに「不快な感情を伴う出来事の内容」「どのような自動思考だったか」「どのような感情だったか」などを記録し、より適応的な自動思考に修正していきます。

問題解決療法は、認知行動療法の1つです。患者さんと治療者が一緒に問題を整理し、解決策を考えます。そして現実的な目標を立てて、実践しやすい対策に取り組み、評価をします。適応障害の社会復帰までの時間を短縮する効果が認められています。 法では、強迫観念や不安感を感じても強迫行為をせずに我慢し、そのまま不安が薄らいでいくことを経験します。その繰り返しによって、強迫行為をしなくても大丈夫と感じられるようになっていきます。

・弁証法的行動療法
治療が難しい境界性パーソナリティ障害にも効果があると実証された行動療法です。「弁証法」とは、対立する概念や物事を合わせて新しい見解を見出すことを意味します。この治療法では、患者さんが抱えている問題を分析し、変化が望めるところは行動療法で変化を促します。一方で、どうしても変えられない認知や思考は、そのまま受容します。変える、受け入れるという相反する概念を合わせるため、弁証法的行動療法と呼ばれています。

基本的には、週1~3回のカウンセリングやグループでのトレーニングを行い、①マインドフルネス(現実を冷静に受け入れる)、②感情統御技能、③実際的な対人関係技能の習得を目指します。

・対人関係療法、社会リズム対人関係療法
対人関係療法は、症状そのものより対人関係の問題に焦点を当てて、心理的問題の解決を図る治療法です。患者さんと治療者は、対人関係上の「悲哀」「役割をめぐる不和」「役割の変化」「対人関係の欠如」「健康な自己の喪失に対する悲哀」の5つのうち1~2つを選び、具体的な出来事を言葉にしていきます。その上で、改善するための方法を一緒に考え、実践します。

社会リズム対人関係療法は、対人関係療法に「社会リズム療法」を組み合わせたものです。社会リズム療法は「ソーシャル・リズム・メトリック」(SRM)というシートに起床時刻や、その日最初に会った人、仕事や家事の開始時刻などを記録します。さらに、他人から受けた刺激や、その日の気分に点数をつけ、自分がいつ、他人とどう関わった時に気分が悪くなるかを理解していきます。

・CBIT(シービット;Comprehensive Behavioral Intervention for Tics)
CBITは、日本語で「チックのための包括的行動介入」と言い、チック症状(突発的かつ自分では制御できない体の動作や発声)にうまく対処するための精神療法です。主に、子どものトゥレット症候群を対象としますが、成人の患者さんにも応用できます。

CBITは行動療法の一種で、「ハビット・リバーサル・トレーニング」(HRT)を中心にしています。HRTは、チックが起こる前兆への気づき、拮抗反応訓練、ソーシャルサポートの3要素から成り立ちます。拮抗反応とは、チックに相反する代替動作のことです。例えば、体を持ち上げるチックが起こりそうだと気づいたら、お腹とお尻の筋肉に力を入れてそのチックを防止します。そのような訓練と、社会的な支援(うまくできたら褒めてもらうなど)の積み重ねで、チックへの対処スキルを身につけていきます。

・多文化間カウンセリング
外国人のこころの問題について、文化の違いを理解しながら支援するカウンセリングです。例えば、日本の医療福祉サービスについて詳しく知らない、日本語がうまく話せず孤立しやすい、精神科医療への抵抗感が強いなど、外国人によく見られる傾向を踏まえてアプローチします。国によっては、「うつや不安は自分の努力で解決するもので、医療の対象ではない」と捉える場合もあります。そのような文化的な違いを否定せず、柔軟な姿勢でカウンセリングを行います。

「DSM-5」(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)では、「CFI」(シーファイ; cultural formulation interview、文化的定型化面接)というカウンセリング手法が示されています。患者さんが抱えている問題に文化的要因が影響しているかを評価する際に用いられます。一番困っていることは何か、周囲からどう見られていると思うか、過去に援助を求めた経験はあるかなど16の質問を通して、その背景にある文化的要因を評価します。

・ナラティブ・セラピー
ナラティヴとは「物語」「語り」などのことです。患者さんはこれまで経験したストーリーを語り、治療者は傾聴します。次第に、何かに支配されていた辛いストーリーが新しいストーリーへと置き換わり、患者さんは自分らしい人生を取り戻していきます。 ナラティブ・セラピーの特徴に1つの、問題の「外在化」という考え方があります。

一般的に、何か問題が起きると、自分または特定のだれかに原因がある(自分やだれかが悪い)と考えたくなります。これを問題の「内在化」と言いますが、このスタンスでいると問題はより深刻化することがあります。そのため、ナラティブ・セラピーでは、自分やだれかに問題があるのではなく「問題が問題である」(問題の外在化)と考えます。例えば、問題に名前をつけて擬人化して語ることで、問題から解放され、新しいストーリーを見いだしやすくなっていきます。

・その他(森田療法、内観療法、芸術療法、遊戯療法、家族療法、集団精神療法など)
精神療法には、日本発祥のものがいくつかあります。森田正馬が1920年頃に創始した森田療法は、患者さんの症状を「あるがまま」に受け入れて、恐怖や不安を「生の欲望」に転換させるものです。従来は入院治療が主体で、最初の1週間はひたすら横になったまま過ごし、その後、徐々に読書や軽作業をして社会復帰を目指していました。近年は外来治療が中心となり、患者さんは毎日の行動を日記に記録し、治療者が助言する方法がとられています。

同じように日本発祥の精神療法に、内観療法もあります。吉本伊信が浄土真宗の修行「見調べ」をもとに創始しました。自分の内心を厳しく観察(内観)し、身近な人に「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑を掛けたこと」の3項目を想起し、自己中心的な思考から脱却することが主眼とされています。

ほかにも、精神療法には非常にさまざまな種類があります。言葉では説明しにくい患者さんの心理状況を絵や音楽、箱庭作りなどを通して表出する「芸術療法」、子どもが遊びを通じて心理状態を回復する「遊戯療法」もあります。また、患者さんと治療者の1対1ではなく、複数名で治療を受ける方法もあります。例えば、症状の原因に家族関係が深く関わっている場合は、家族が一緒に治療者の面接を受ける「家族療法」、複数の患者さんが集まって精神力動的精神療法や認知行動療法などを受ける「集団療法」もあります。

※参考文献
『標準精神医学 8版』(医学書院)
『基礎から学ぶ心理療法』(ナカニシヤ出版)
『よくわかる臨床心理学』(ナツメ社)
『浜松医大流 エビデンスに基づく精神療法実践集』(金芳堂)
日本精神神経学会ホームページ、厚生労働省「うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル」
『チックのための包括的行動的介入(CBIT)セラピストガイド』(丸善出版)
『多文化共生時代のガイドブック』(岩崎学術出版社)

Vol.2 精神療法の適用 ~治療効果に影響を与えるもの~

精神療法は、患者さんの心理的問題を改善していく治療法の一つです。精神科医や臨床心理士などの治療者との会話、あるいは言葉によらないコミュニケーションを通じて、患者さんの苦痛や不安、不自由感などにアプローチします。

精神療法の治療効果は、多くの研究論文で報告されています。「ランダム化比較試験」(※)といって、もっともエビデンスレベルの高い研究方法で実証された精神療法もあります。ただ、すべての精神疾患に有効とういうわけではなく、効果が期待できる疾患と、そうではない疾患があります。例として以下を挙げます。

〈精神療法が重要な役割を果たす疾患〉
・適応障害
・不安症/不安障害や強迫症/強迫性障害などの神経症性障害
・うつ病/大うつ病性障害、双極性障害、パーソナリティ障害、精神病性障害の寛解期などの精神医学的障害
・一般身体疾患による心理的反応

精神療法だけではあまり効果が期待できない疾患〉
活発な精神病状態、重篤なうつ状態、双極性障害の躁状態、脳の器質的障害、著しい反社会的パーソナリティ障害など。
患者さんの病状に対し、治療効果が示されている精神療法がある場合は、それが優先して適用されます。 しかし、同じ精神疾患の患者さんでも、その人の性格や育成環境、現在の生活状況などはさまざまですし、2つ以上の疾患のある患者さんもいます。また、精神療法は、適切な研究対象者の設定や、治療の構造化(治療の時間や場所、内容、治療者との関係性などの規定)が難しく、治療効果を測定しにくい面も否めません。そのため、エビデンスだけに固執せず、複数の精神療法を組み合わせるなど、柔軟に治療を選択することもあります。

○治療予後に影響を与えるもの
精神療法の効果研究では、治療そのものよりも「患者さんと治療者の関係性」が大きく影響しているという報告もあります。患者さんと治療者がお互いに信頼し、協力して治療に向かう「患者同盟」という関係性が形成されると、治療効果に好ましい影響があるのです。
精神疾患の治療は、患者さん一人ひとりにあった治療法を選択し、患者さん・治療者が協力することが大切だと言えるでしょう。

※ランダム化比較試験……研究の対象者を2つ以上のグループに無作為(ランダム)に分け、治療法などを検証する方法。研究に参加する患者さんも医師も、どのグループに振り分けられるかを知ることはできず、客観的な評価ができる。Randomized Controlled Trialを略して「RCT」とも呼ばれる。

※参考文献
『標準精神医学 8版』(医学書院)
『よくわかる臨床心理学』(ナツメ社)

Vol.3 リラクセーション療法

リラクセーションは心身の緊張状態を弛緩させる(リラックスさせる)技法の総称で、精神的な問題の解消、低減のために医療現場でも取り入れられています。さまざまな技法がありますが、いずれも副交感神経のはたらきを優位にし、過剰な緊張状態をほぐして、不安を低減させることを目的としています。心身症や神経症などへの治療効果や、予防的効果があると考えられています。
医療機関で治療者と一緒に行うこともできますし、日頃のセルフケアとして個人的に取り組むこともできます。ただし、心身の状態によっては適さない場合もあるため、最初は医師または心理士などに相談するとよいでしょう。 ここでは、代表的なリラクセーション技法を紹介します。

精神療法について

●漸進的筋弛緩法(PMR;プログレッシブリラクセーション)
アメリカの内科医・精神科医のエドモンド・ジェイコブソンが開発した技法。漸進的とは「少しずつ、徐々に」という意味です。漸進的筋弛緩法は、上腕、背中、肩、首、顔、腹部などと体の筋肉を順番に弛緩(脱力)させていき、全身のリラクセーション効果を得ることを目的としています。
筋肉を完全に弛緩させるために、まずは特定の部位の筋肉に力を入れて緊張状態を作ります。力の入れ具合は60~70%で構いません。その状態を10秒ほど保った後、一気に弛緩します。そして「じわ~」と脱力していく感覚を、15~20秒ほど体感します。緊張・弛緩の組み合わせを体の部位ごとに行い、最後に全身の筋肉を緊張させ、弛緩させます。

〈詳しい方法はこちら〉
・国立精神・神経医療研究センター 「眠気を引き出すリラックス法」
・日本心理臨床学会 ストレスマネジメント技法集
・厚生労働省委託事業緩和ケア普及啓発事業

●瞑想法
瞑想によってリラックスし、心身の問題の改善を目指す技法。アメリカの分子生物学博士ジョン・カバット・ジンが確立した「マインドフルネス ストレス低減プログラム」が有名です。
マインドフルネスは、仏教瞑想とヨガを組み合わせたもので「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義されています(日本マインドフルネス学会)。 マインドフルネスの基本は静座瞑想(呼吸法)です。背筋をすっと伸ばして座り、体の力を抜き、胸やお腹など、呼吸を感じられる部位に意識を集中させます。過去の苦しい思いや、今後の不安などが浮かんでくるかもしれませんが、静かに呼吸を続けます。その際「こんなことを考えてはいけない」などと評価せず、何に注意が散ったのかを確認したら、またすぐに呼吸に意識を戻してください。次第に全身で呼吸をしているように意識し、しばらく繰り返します。
マインドフルネスの技法には様々な方法があります。瞑想しながら体の部位ごとに注意を向けて、全身を観察する「ボディ・スキャン瞑想」や、1粒のレーズンの見た目やにおい、味、舌触り、風味などに五感を集中させる「レーズン・エクササイズ」なども、リラクセーション効果が期待できます。

●イメージ法
普段は意識していない内的なイメージの世界を手がかりに、現実世界の精神的な問題を改善していく技法です。
静かにリラックスした状態で、治療者が「劇場の幕の向こうに、何か見えてきますよ。見えたら教えて下さい」などと言い、患者さんをイメージ過程(イメージの世界)にいざないます。患者さんは内面に浮かんできたイメージを言葉にし、治療者がいくつかの質問をしながら、一緒にイメージ過程の中を歩んでいきます。 いつも現実世界で患者さんが体験している感情や認知、行動パターンは、イメージ過程の中でも再現されます。つまり、現実世界でうまく適応できないことは、イメージ過程の中でも同じようになるのです。その時、患者さんは怖がったり圧倒されたり、一歩も踏み出せなかったりするかもしれませんが、治療者が言葉を掛けたり、深呼吸を促したりして安全な方へと導きます。こうした体験を繰り返すことで、次第にイメージの世界でうまく振る舞えるようになります。
イメージ法のセッションの終了後は患者さんと治療者で言語面接を行い、イメージ過程でどんな体験をしたかなどを話し合います。また、イメージ過程で不安だった場面が、現実世界のどんな時に似ているかを確認します。こうして2つの世界をつなぐことで、やがて現実世界でも感情や認知、行動パターンに変化が生じ、イメージ過程と同じように振る舞えるようになると考えられています。
なお、イメージ法にはいくつかの種類があり、日本では藤原勝紀の「三角形イメージ体験法」、田嶌誠一の「壺イメージ法」、柴田出ほかの「イメージ分析」などが代表的です。

●自律訓練法
自分に暗示を掛ける(自己暗示、自己催眠)ことによって、過剰な興奮を鎮静し、リラックスしていく技法です。ドイツの精神科医ヨハネス・ハインリヒ・シュルツが開発した技法で、1つの「背景公式」と、6つの「公式」から成り立っています。これらを心の中で唱えながら、言葉の通りをイメージします。

背景公式:「気持ちが落ち着いている」
第1公式:「両腕(て)両脚が重たい」(または右腕が重たい、左腕が重たい)
第2公式:「両腕(て)両脚がぽかぽかしている」(または右脚がぽかぽかしている、左脚がぽかぽかしている)
第3公式:「心臓が規則正しく打っている」
第4公式:「楽に呼吸(いき)をしている」
第5公式:「お腹が温かい」

1回3~5分、1日2~3回繰り返します。椅子に楽な姿勢で座るか、仰向けに横たわって体の力を抜いた状態で行うといいでしょう。最後は、体を暗示から目覚めさせる「消去動作」を行います。肘を曲げ伸ばししたり、全身で伸びをしたりして、意識を覚醒させてください。
なお、医療現場では主に心身症・神経症などの治療に用いるリラクセーション技法です。統合失調症や重度のうつ病などで幻視や妄想、自殺の危険性のある患者さん、心疾患や重い糖尿病のある患者さんなどは非適応のことがあるので、医師にご相談ください。

〈詳しい方法はこちら〉
国際心理支援協会 自律訓練法

※参考文献
『標準精神医学 8版』(医学書院)
『現代精神科医学事典』(弘文堂)
『基礎から学ぶ心理療法』(ナカニシヤ出版)
『よくわかる臨床心理学』(ナツメ社)
『実践 イメージ療法入門』(金剛出版)