各種プログラム
ハートクリニックでは、患者様の治療でお薬の利用を最小限に減らすために、
さまざまな診療プログラムをご用意しております。
リワークプログラムスケジュール
- 2024年12月9日 プレ・リワーク開始/2025年4月11日 コア・リワーク終了予定
- 2025年1月20日 プレ・リワーク開始/2025年5月9日 コア・リワーク終了予定
- 2025年2月17日 プレ・リワーク開始/2025年6月6日 コア・リワーク終了予定
- 2025年3月17日 プレ・リワーク開始/2025年7月4日 コア・リワーク終了予定
- 2025年4月14日 プレ・リワーク開始/2025年8月1日 コア・リワーク終了予定
リワークプログラムとは
*“リワーク”の意味
リワーク(Re-work)とは、return to workの略語です。主に気分障害(うつ病など)の精神疾患を原因とする休職をされている方の職場復帰の支援を目的としたリハビリテーションプログラムのことを、リワークプログラム(復職支援プログラム、職場復帰支援プログラム)と呼びます。
- “リワーク”についてさらに詳しく
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「職場のメンタルヘルス対策に関する調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構 2012年)によれば、調査対象の6割弱の事業所でメンタルヘルスに問題を抱える労働者がいるとされ、そのうちの3割強の事業所は3年前に比し、メンタルヘルス不調者が増加傾向にあると回答しています。しかも、うつ病などで休職した方のうち、復職から5年以内に再休職してしまう割合は5割弱という調査もあります(厚生労働省)。
うつ病などのメンタルヘルス上の問題で休職された方にとって、復職することそれ自体も決して簡単なものではありませんが、それにも増して、復職後の就労を継続することは大変な困難を伴うものとなっています。
このようなことから、リワークプログラムは最大の目的を、単に復職を目指したリハビリテーションとしてだけでなく、再休職予防を目指したリハビリテーションとして実施されています。
- 1.復職時にかかるストレスへの耐性を上げることができる
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療養生活をしている間、多くの方は、しっかりと休養をとるために、極力、ストレスを避ける生活を送っているでしょう。療養生活という身体的・心理的負荷の少ない環境から、直接、職場復帰をされると、職場環境での負荷(例えば業務へのプレッシャーや複雑な人間関係等)と療養時のそれとのギャップに対応しきれず、再発に至ってしまうケースが残念ながら少なくありません。リワークプログラムに参加することは、少しずつ身体的・心理的負荷をかけることになりますので、いわばこうした職場環境に移行するための“慣らし”として役立ちます。 また、リワークプログラムでは、自分自身についてよく知ることが求められます。このことが、自分にとって本当に役に立つ、ストレスへの対処法を編み出すことにつながります。
- 2.生活リズムを整えやすくなる
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リワークプログラムに参加すると、決まった時間に通所し、プログラム時間内は活動し、決まった時間に帰宅するということを毎日繰り返すことになります。リワークプログラムへの参加に合わせた起床時間や就寝時間へ生活リズムを移行していくことで、活動的になり、規則正しい生活習慣や睡眠覚醒リズムが身に付き(回復し)ます。規則正しい生活リズムと日中の活動性は、復職にあたっては最も基本的な事項です。職場が復帰の可否を判断する際に、大変重要視されます。
- 3.リハビリの「かたち」を整えやすい
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独力で復職へ向けたリハビリを行うことも不可能ではありません。しかし、リワークプログラムは、よりスムーズな復職に必要なリハビリテーションプログラムを、パッケージにして提供しますので、効率的であることは言うまでもありません。
- 4.他者との交流が圧倒的に増える
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療養生活では、かかわる他者の範囲が著しく狭まりがちです。リワークプログラムでは、多くの他者と触れ合うことで、自分と似た考えに出合って励まされたり、自分とは全く異なる考えに出合ってこれまでとは異なる視点を得たり、自分の考えを再確認したり、また、人の中に受け入れられることの安心感を得たり・・・他者と交流する機会を持つことの効用は計り知れません。人は人の中で良くなっていくものです。
- 5.似た境遇の仲間と出会える
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病気による休職という同じ境遇をもち、さらには職場復帰という共通の目的をもった仲間同士であるからこその支えあいは、とても心強いものです。また、集団の中で時間を過ごす環境は、職場での環境と類似する点も多く、その中で生活上や人間関係上のアドヴァイスをし合ったり、一緒にトレーニングをしたりすることができます。
- 6.専門家とのやりとりが密になる
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プログラムには、精神保健福祉士、臨床心理士(公認心理師)、看護師などといった専門職がかかわります。専門家の視点からのアドヴァイスを受けたり、個別の相談をすることができたりします。
*リワークプログラムの種類(実施している場所による違い)
リワークプログラムには、実施している場所によって、大きく3つの種類があります(下図参照)。
医療リワーク | 職リハリワーク | 職場リワーク | |
実施機関 | 医療機関 | 障害者職業センター | 企業内、EAPなど |
主たる目的 | 精神科治療、再休職予防 | 職場への適応に向けた本人と雇用主への支援 | 復職の可否を決定する見極め |
対象 | 休職者 | 休職者、雇用主 | 休職者 |
費用 | 健康保険 | 労働保険 | 企業負担 |
*リワークプログラム利用のメリット
もちろん、リワークプログラムに参加しなければ絶対に復職が成功しないというわけではありません。しかし、リワークプログラムに参加することによって、以下のような大きなメリットがあります。
当院のリワークプログラム
*当院は(社)日本うつ病リワーク協会会員医療機関です。
*当院のリワークプログラムは、(社)日本うつ病リワーク協会認定スタッフが運営しています。
プレ・リワーク期間(1か月)・コア・リワーク期間(3か月)・フォローアップ期間のトータル4か月間(フォローアップ期間を除く)
プログラム内容
- プレ・リワーク
週3日(月・水・金)のデイケア通所。デイケアプログラムに参加しながら、週3日の通所に身体と心をなじませる時期。生活の記録を習慣づけ、他者とともにグループ活動に参加し、担当スタッフと面接を行うことで、本格的なリワークプログラム(コア・リワーク)への準備性を高めます。 - コア・リワーク
1か月ごとに週3日(月・水・金)、週4日(月・水・木・金)、週5日(月~金)と通所日数を漸増させながら、リワークに特化したプログラムとデイケアプログラムを組み合わせて利用。自己分析・休職要因の考察・再休職予防のための対策・セルフケア・今後の生活様式の再考などの課題に体験的に取り組むことで、復職準備性を高めます。 - フォローアップ(詳細はこちら)
当院のコア・リワークプログラム期間を経て復職をされた方を対象に、毎週土曜日の午前中に開催(ショートケア)。1週間の振り返りやフリートークを中心に行うことで、復職後のストレス状態や孤立感を軽減し、健康的な状態を維持します。
プログラム利用までの流れ
※参加者の募集は1か月ごとに行います。ホームページにてお知らせいたします。
対象となる方
- うつ病、またはうつ状態との診断を受けている方
- 参加にあたって、主治医の許可が得られている方(他院通院中の方もご利用いただけます)
- 現在、休職中であり、離職をしていない方
- 復職の意思があり、プログラム開始時点で週3日の通所・プログラム参加が可能な方
※主治医やスタッフの判断により、参加条件が満たされないと判断された場合には、ご参加いただけない場合がございますので、あらかじめ、ご了承ください
費用
- 各種健康保険がご利用いただけます(自立支援医療制度も適用されます)
- 健康保険利用時(3割負担):2,130円(1日につき)
- 自立支援医療制度利用時:710円(1日につき)
※プログラム内容により、別途費用負担が掛かる場合があります。
お問合せ先
- ハートクリニック大船医療相談室(髙橋)TEL.0467-46-2700
リワークプログラムの期間後
リワーク期間を満了された後、休職期間が延長となった場合はデイケアの利用を継続していただくことが可能です。
卒業生の声
リワークプログラムを卒業された方の声をご紹介します。なお下記は、あくまで個人の感想です。利用された方全員に同様の効果を保証するものではありません。
- 参加するきっかけは、職場から指示があったからであるが、リワークプログラムを受けないで復職していたら、再発の可能性が上がるという話は理解できる。通院するだけでは病気に対する理解も深まらず、再発防止のためにどのような対処をしていいかわからなかった。また、復職後もフォローアップの体制があり、困ったときに頼れるところができたので参加して良かったと思う。
- 適正なプログラム内容と期間、難しいことを丁寧かつユーモアを含め、愛情をもって教えて頂いたスタッフの方々、優しく寛容なメンバーの方々・・・のおかげで、私はこれからの人生をより幸せに過ごしていける自信がつきました。また、細かいことですが、ターミナル駅である大船駅前という好立地、ほとんどの用事が済ませられる商店街、清潔で快適なリワーク・デイケアルーム等、環境の良さも私が毎日元気に楽しく通所できたポイントのひとつです。
- 医師と接する時間は限られています。そのため患者によっては病気の性質や、患者を待ち受ける困難を知らないことがあると思います。プログラムを受け、また、丁寧な面接や行動記録表でのコメントのやりとりで、具体的にアドバイスを頂けることは、患者にとって、大変貴重で、ありがたいものでした。医師の診断や職場の復職プログラムにない、大きな長所があったと思います。
- そもそも集団でのプログラムに対して、非常に抵抗感がある中での参加だったので、当初は気疲れと不安でへとへとになったのを憶えている。ただ参加するからには全力で!!のおかげで色々なプログラムに積極的に臨んだことにより、次第に楽しめるようになり、集団の中でプログラムを実施する意味も知ることができた。感謝の言葉しかありません。
- 4カ月間、本当にありがとうございます。人生が変わる4カ月間でした。仲間やスタッフさんにも恵まれ、すごくいいタイミングでリワークに参加できたと思います。フォローアップにもぜひ参加させて頂きます。
- 自分の思考の偏りを知ることができ、それに対処する方法を身につけられそうです。本当の意味で自分を(思いを)大切にするということとその方法を学べました。苦手なことにも作業に取り組んできたおかげでチャレンジしようと思えるようになりました。すっかり落ちていた作業能力も回復してきました。スタッフの皆さまとリワークの仲間に感謝しています。