こころのはなし
こころの病気に関わるいろいろなお話を紹介します。
「こころの病」についての知識をはじめ、
バラエティに富んだ情報を提供するなど、
患者様はもちろんご家族など皆様との交流を目指すコーナーです。
「適応障害」ってどんな病気?⑦
発達障害と適応障害
青年期以降に発覚するグレーゾーンに注意
大学進学、就職後につまずきやすい
発達障害では、環境に適応できずに異常なストレス反応が生じ、適応障害を起こすケースが見られます。ADHD、ASDで治幼少期から治療を受けていると、社会訓練などで対処法を学べますが、軽度のグレーゾーンでは、本人も周囲も障害に気づけません。大学進学や就職の際に適応障害を起こし、発達障害が判明することがあります。
職場などで孤立し、いじめの対象になることも
ASD の特性に共感性、社会性の低さがあります。ひとりで作業が完結する仕事なら問題ありませんが、部下指導や、営業や接客業がストレスとなり、適応障害を起こしがちに。またADHD も注意欠如や多動で仕事上のミスが増えます。両者ともに職場などで孤立し、いじめの対象になることも。発達障害は脳機能の問題。努力で治せるものではありません。幼少期から発達歴を見直し、治療を行います。職場環境や仕事内容を見直し、社会に出るための訓練を受けたり、福祉制度を利用したりする必要があります。
仕事や学業のつまずきを招きやすい特性
ADHD(注意欠如・多動症)
- □ 綿密に注意できない。不注意である。
- □ 長時間同じ作業に集中することが難しい。
- □ 話しかけられてもうわの空のことが多い。
- □ 他人の指示やルール通りにものごとを行うことができない。
- □ 課題や活動を順序立てること、遂行することが難しい。
- □ 忘れ物が多い。約束したことを忘れてしまう。
- □ 気が散りやすく、じっとしていられない。
- □ 自分の順番を待つことが難しい。
- □ 他人の行動を妨害し、邪魔することがある。 など
ASD(自閉スペクトラム症)
- □ 他人とやりとりすることができない。
- □ 自分がわかっていることを相手に説明しない。
- □ 状況判断をし、臨機応変に行動できない。
- □ 相手に合わせて行動することができない。
- □ 表情や言外の意味をくみ取ることができない。
- □ たとえ話を理解するのが難しい。
- □ 代名詞を理解するのが難しい。
- □ 順番にこだわり、予定が変わると対応できない。
- □ 前例にのっとってでしか行動できない。
- □ 音、光、においなどに過剰に敏感。
- □ 疲れを認識しづらく、体調管理ができない。 など
STEP1 発達歴を確認し、両方の治療を行う
診察時に親に同席してもらい、医師が乳幼児期の発達歴を尋ねることがある。発達歴と現状の問題から診断が下され、発達障害と適応障害の両方の治療が行われる。
発達歴についての質問
- ● ハイハイによる後追いがあったか?
- ● 言葉の遅れがなかったか?
- ● ひとり遊びやおもちゃへの執着は強かったか?
- ● 特定の感触をいやがることはなかったか?
- ● かんしゃくを頻繁に起こさなかったか?
- ● 会話がかみ合わないことがなかったか?
- ● 夢中になった遊び、趣味はなにか?
- ● 学校での友達との関係は?
- ● 両親、祖父母に似たような特性がないか?
STEP2 さまざまな制度を利用して対応する
就学・就労に復帰する場合、専門指導員のもとで、ソーシャルスキルトレーニング(SST)等の社会生活を送るための訓練を受けるのが望ましい。また、障害の程度によっては障害者手帳を取得し、福祉支援を受けるケースも多い。
発達障害者支援センターを活用する
都道府県・指定都市には発達障害がある人、および家族や支援者のための総合窓口として発達障害者支援センターが設置されている。医療機関や就労支援などについてもサポートしてもらえる。
●発達障害情報・支援センターhttp://www.rehab.go.jp/ddis/
*相談窓口から全国のセンターを検索できる。
※参考文献「『適応障害』って、どんな病気?」ハートクリニック理事長浅井逸郎監修 大和出版
青年期以降に発覚するグレーゾーンに注意
大学進学、就職後につまずきやすい
発達障害では、環境に適応できずに異常なストレス反応が生じ、適応障害を起こすケースが見られます。ADHD、ASDで治幼少期から治療を受けていると、社会訓練などで対処法を学べますが、軽度のグレーゾーンでは、本人も周囲も障害に気づけません。大学進学や就職の際に適応障害を起こし、発達障害が判明することがあります。
職場などで孤立し、いじめの対象になることも
ASD の特性に共感性、社会性の低さがあります。ひとりで作業が完結する仕事なら問題ありませんが、部下指導や、営業や接客業がストレスとなり、適応障害を起こしがちに。またADHD も注意欠如や多動で仕事上のミスが増えます。両者ともに職場などで孤立し、いじめの対象になることも。発達障害は脳機能の問題。努力で治せるものではありません。幼少期から発達歴を見直し、治療を行います。職場環境や仕事内容を見直し、社会に出るための訓練を受けたり、福祉制度を利用したりする必要があります。
仕事や学業のつまずきを招きやすい特性
ADHD(注意欠如・多動症)
- □ 綿密に注意できない。不注意である。
- □ 長時間同じ作業に集中することが難しい。
- □ 話しかけられてもうわの空のことが多い。
- □ 他人の指示やルール通りにものごとを行うことができない。
- □ 課題や活動を順序立てること、遂行することが難しい。
- □ 忘れ物が多い。約束したことを忘れてしまう。
- □気が散りやすく、じっとしていられない。
- □自分の順番を待つことが難しい。
- □他人の行動を妨害し、邪魔することがある。 など
ASD(自閉スペクトラム症)
- □ 他人とやりとりすることができない。
- □ 自分がわかっていることを相手に説明しない。
- □ 状況判断をし、臨機応変に行動できない。
- □ 相手に合わせて行動することができない。
- □ 表情や言外の意味をくみ取ることができない。
- □ たとえ話を理解するのが難しい。
- □ 代名詞を理解するのが難しい。
- □ 順番にこだわり、予定が変わると対応できない。
- □ 前例にのっとってでしか行動できない。
- □ 音、光、においなどに過剰に敏感。
- □ 疲れを認識しづらく、体調管理ができない。 など
STEP1 発達歴を確認し、両方の治療を行う
診察時に親に同席してもらい、医師が乳幼児期の発達歴を尋ねることがある。発達歴と現状の問題から診断が下され、発達障害と適応障害の両方の治療が行われる。
発達歴についての質問
- ● ハイハイによる後追いがあったか?
- ●言葉の遅れがなかったか?
- ● ひとり遊びやおもちゃへの執着は強かったか?
- ● 特定の感触をいやがることはなかったか?
- ● かんしゃくを頻繁に起こさなかったか?
- ● 会話がかみ合わないことがなかったか?
- ● 夢中になった遊び、趣味はなにか?
- ● 学校での友達との関係は?
- ● 両親、祖父母に似たような特性がないか?
STEP2 さまざまな制度を利用して対応する
就学・就労に復帰する場合、専門指導員のもとで、ソーシャルスキルトレーニング(SST)等の社会生活を送るための訓練を受けるのが望ましい。また、障害の程度によっては障害者手帳を取得し、福祉支援を受けるケースも多い。
発達障害者支援センターを活用する
都道府県・指定都市には発達障害がある人、および家族や支援者のための総合窓口として発達障害者支援センターが設置されている。医療機関や就労支援などについてもサポートしてもらえる。
●発達障害情報・支援センターhttp://www.rehab.go.jp/ddis/
*相談窓口から全国のセンターを検索できる。
※参考文献「『適応障害』って、どんな病気?」ハートクリニック理事長浅井逸郎監修 大和出版